タイトル:about time(アバウト タイム)
概要
ペニーワイズ3枚目のアルバム。メロコアの老舗、Epitaph Recordsより1995年6月13日に発売。
「時間」をテーマにしたアルバムだそうだが、管理人は英語がわからないのでそこは楽しめなかった。ジャケットが時限爆弾という事からなんかそんな意味なんだろうな、と言う事は推測した。
ペニーワイズらしいメロコアというよりファストパンク、スケートパンクの要素が強い。
このアルバム発表の翌年(1996年)に、ベーシストのジェイソンがアルコール依存症克服のために脱退したが、同年7月29日、酔っぱらった状態で拳銃自殺をしてしまう。本作がジェイソンの最後のアルバムとなった。
勝手なレビュー
1曲目「Peaceful Day」
泣きメロ度3 速さ3 カッコよさ4
いかにも初期ペニーワイズといったファーストトラック。韻を踏んでるサビがキャッチーである。何を言っているかはわからないが(汗)
スケートパンクとカテゴライズされるだけあって、ストリートを大音量で聞きながらスケボーやローライダーで流したい気分になる。
2曲目「Waste of Time」
泣きメロ度4 速さ4 カッコよさ4
メロコアっぽいテンポの速い曲だが、ギターの重厚感と、初代ボーカルであり現ボーカルでもあるジムの声が独特のペニーワイズ節で聞かせてくれる。
やっぱりサビで韻を踏んでいる。何を言っているかは(ry。
3曲目「Perfect People」
泣きメロ度4 速さ4 カッコよさ3
2曲目に続き速いテンポの曲。イントロのベースソロが面白い。
やはり前曲と同じように、決してフラットなメロディではないのに、まるで80年代ハードコアとも勘違いしそうなペニーワイズサウンドとなっている。
4曲目「Every Single Day」
泣きメロ度4 速さ3+ カッコよさ4
決して遅くはないテンポだが、メロコアのツタツタビートではない速さ。よって速さ3+とした。
「ウォウォウォー」というコーラスの響きと、ディストーションギターの音が心地よい。
5曲目「Searching」
泣きメロ度3 速さ2 カッコよさ3
ミディアムテンポのナンバー「♪インサーイ、マンマーイ」と唄う所がやけに耳に着くのは管理人だけか。昔のサーフィンのビデオのBGMにありそうな曲。
6曲目「Not Far Away」
泣きメロ度3 速さ3 カッコよさ3
テンポの速い「ルージュの伝言」みたいな始まり方につられると、その後の重いディストーションギターの音色でペニーワイズの世界に戻されるようなナンバー。メタル調なギターリフが印象的。
7曲目「Freebase」
泣きメロ度3 速さ4 カッコよさ3
ペニーワイズ得意のディストーションギターの激しいコードワークが特徴的なナンバー。
悪くはないのだが、他の速いテンポの曲と区別がつきにくい。
8曲目「It's What You Do with It」
泣きメロ度4 速さ4 カッコよさ4
疾走感溢れる展開の一曲。途中テンポダウンするところも自然であり、意外とキャッチーなメロコアナンバー。
9曲目「Try」
泣きメロ度4 速さ4 カッコよさ4
ハードコア風なイントロで始まるが、いやいやしっかりペニーワイズの音だとはっきりわかる。
1番が終わるとギターソロという慌ただしい展開。前曲のノリのままの疾走感が続くが、曲の終盤で突然のスローダウン。すぐにテンポは回復するのでご安心を。
10曲目「Same Old Story」
泣きメロ度5 速さ3 カッコよさ5+
ペニーワイズ初期の神曲。決して速いテンポではなく(と言っても8ビートとしては高速な部類だが)、メロコアというよりミディアムナンバーなのだが、聞けば聞くほどクセになるカッコよさ。
ギターのコード移動がメロディーに聞こえるペニーワイズ得意の進行が実にカッコいい。
PVも疾走感に溢れ、当時テレビ神奈川のメロコア専門音楽番組「ビデオ星人」でヘビーローテーションされていたのも分かる。
11曲目「I Won't Have It」
泣きメロ度3 速さ4 カッコよさ4
ギターのフィードバック音からのスネア連打という攻撃的なイントロで始まるナンバー。
「♪メケッメケッ!」と連呼する声が耳に着く。それだけが印象に残る。
12曲目「Killing Time」
泣きメロ度4 速さ4 カッコよさ4
ペニーワイズにしては中々メロディアスな展開でメロコア臭が一番出ている曲かもしれない。
「♪キーリンターアイ♪キリンターアイ~」と口ずさんでしまうキャッチ―さも兼ね備え、ラストを飾るに相応しい一曲である。
MELOCOREPUNK.COM管理人の感想
メロコアに分類されるが、どうしてもファストパンク、スケートパンクなイメージの強いペニーワイズ。その初期の代表的なアルバムとも言える今作。その中でも代表曲とも言える「SAME OLD STORY」のPVなんか、ずっと町中をスケボーで駆け回る映像だしね。
日本でメロコアが流行り始めた当時の1995~1996年あたりは、PENNYWISEはじめ他のメロコアバンドもこの辺りのアルバムしかまだなくて、ビデオ星人でもこの頃のPVよく流れてたし、80年代にブームが過ぎ去って、当時は本当に好きな人しかやってなかったサーフィンとか、ちょっとブームになったボディーボード、ブギボーとか当時言ったっけ?そのビデオとかのBGMにもこの辺りの90年代前半~中盤くらいのメロコアがよく使われてて、それが余計にPENNYWISE含めたその頃のメロコアバンド達が初期の王道メロコア、みたいなイメージを日本に定着させたのかもしれないね。管理人も1995年辺りを境にして、それ以前はメロコア初期、それ以降はメロコアブーム真っ盛り、ってイメージあるもん。まあさらにざっくり言うと、日本じゃハイスタの「GROWING UP」以前と以降、とも言えますけどね。同じくハイスタの「MAKING THE ROAD」以降でメロコアは終わった、とも言えるんですが。
話が反れました!PENNYWISEね。これ、ボーカルのジムの声質のせいなのか、ギターのメタル調なリフ、バッキングのせいなのか、良く言えば重厚感に溢れるサウンドである。
でもまだこのアルバムくらいだと、どの歌もいきなり聞いたらどの歌かわからない、同じような曲が多いんだよなぁ。ってその後のPENNYWISEも同じか。それにレビュー中でも書いたけど、せっかくメロコアバンドとして完璧なバンド体制が整っているにもかかわらず、あともう一歩、もう一泣きが足りなくて実に勿体ないんだよね。もっとメロディアスになったら、NUFANと双璧をなすくらいの泣きメロバンドになりそうなもんなのに。あ、歴史と音楽にifは無しですかね。
しかしベースの人、酔って自殺とかマジ悲劇だね。あと少し、もう少し頑張れば、メロコアブームに乗っかって世界的に有名になれたのにさ、って、自殺を考えてる人に一番言っちゃぁいけない台詞だね。十分頑張った、お前の頑張りは皆知ってる、だから少し休め!って言ってあげないとね。
ともかく初期ペニーワイズ、いやメロコアブーム前夜を語る上で欠かせないと思われるこの「about time」。
これからメロコア聞こうってリスナーは是非買って、あなたのCD棚に並べる事をお勧めします!