RANCID「...And Out Come the Wolves」のレビュー



タイトル:...And Out Come the Wolves(アンド アウト カム ジ ウルブス)

アーティスト:RANCID(ランシド)

概要

カリフォルニアのスカ・パンクバンド「RANCID」の3rdアルバム。BAD RELIGIONのBrett Gurewitzが主宰するEPITAPH RECORDSから1995年8月22日にリリース。
前作「Let's Go」のヒットを受けて、各メジャーレーベルが争奪戦を繰り広げ、マドンナが自身のヌード写真を送ってまで勧誘したそうだが、結局パンクロック系インディーズレーベルであるエピタフレコードに残り発表されたのが今作である。さすがパンクス、なかなか義理堅い。

いかにもパンクスな恰好から繰り出される哀愁系のポップなスカパンクは知らないと拍子抜けしそうだが、元々TIM ARMSTRONGとMATT FREEMANはスカパンクというジャンルの草分けとなった伝説的バンド「Operation Ivy」のメンバーであり、正常進化というか、スカパンクを中心としたサウンドはさもありなんと言える。

本アルバムは世界的なヒットを飛ばし、全米で100万枚を売り上げるなどその地位を不動のものとし、シングルカットされたうち2曲のスカコアナンバーはランシドというか、90年代メロコア、パンクを語る上で欠かす事のできない神曲だったりする。

ランシドと言えばこのアルバム、というくらいの有名作。

勝手なレビュー

1曲目「Maxwell Murder」

泣きメロ度3 速さ4 カッコよさ4
ハードコアちっくなパンクナンバー。ランシド得意の早口言葉のようなリリックが爽快。さらにお得意のベースソロを挟み、一気にラストまで突っ走る!1曲目を飾るにふさわしいパンクソング。

2曲目「The 11th Hour」

泣きメロ度3 速さ2 カッコよさ3
ミディアムナンバーながら、ランシド特有のサウンドのおかげか、パンクロックになっている一曲。決してメロコアではないが、泣きのメロコアマニアでもそれなりに気にせず聞いていられる一曲。

3曲目「Roots Radicals」

泣きメロ度3 速さ3 カッコよさ3
本作からのシングルカット第1弾。ふっつーのパンクナンバーだが、何気にキャッチー。セルアウト的なマス受けを狙うには確かに良いのかもしれないが、泣きのメロコアしか受け付けないマニアには物足りない。

4曲目「Time Bomb」

泣きメロ度4 速さ3 カッコよさ5+
伝説的スカパンクナンバー。切なげなメロディと小気味良いスカギターに乗る、ちょっとピッチが上がりきらないTIMの歌声が絶妙に絡み合い、泣きそうになるほどカッコいいスカコアソング!このアルバムからのシングルカット第2弾。確かビデオ星人が最終回の時、もう一度聞きたいパンクソング第一位になってた記憶がある。90年代を代表するスカパンクと言っても過言ではない!


PVも滅茶苦茶カッコいい!当時黒人じゃないチカーノ系な悪っぽさを全面に押し出した映像に、あー日本人じゃ無理なカッコよさだなー、と羨望の眼差しで見ていたのを思い出します。ギッチョのギターとドラムもカッコいい!

5曲目「Olympia WA.」

泣きメロ度2 速さ3 カッコよさ3
打って変わってやや明るめのイントロで始まるランシドっぽいパンクナンバー。特に興味深いところは無い。

6曲目「Lock, Step & Gone」

泣きメロ度2 速さ3 カッコよさ3
これもランシドっぽいミディアムなパンクナンバー。神曲の後なので、間延びする感が否めない。

7曲目「"Junkie Man」

泣きメロ度3 速さ3 カッコよさ3
チャランチャランとかき鳴らすイントロのギターがバービーボーイズっぽいな、と思ったのは管理人だけか?曲自体は前2曲と同じミディアムパンクナンバー。サビがちょっとキャッチーで、よくわからないスクラッチ風の音声とセリフが入る。何だろうこれはw

8曲目「Listed M.I.A.」

泣きメロ度2 速さ3 カッコよさ3
ミディアムナンバー続くなぁ。ランシドだからか、他のメロコアバンドみたいにイライラする事もなく聞いてはいられるんだが、やっぱり速いやつか、スカ調のやつをそろそろ渇望してくる頃。

9曲目「Ruby Soho」

泣きメロ度4 速さ3 カッコよさ5
またまた来ました有名曲!このアルバムからのシングルカット第3弾。あれ?ビデオ星人で第一位だったのってこっちだったかなぁ。まあそんな風に分かんなくなるくらい、この曲も神曲なわけです。ゆっくり目のテンポに絡むボーカルとコーラスが実に気怠い爽やかさを醸し出しています。Time Bombよりスカっぽさは無いのですが、一般的にはこっちの方がウケはいいのかも。

10曲目「Daly City Train」

泣きメロ度3 速さ3 カッコよさ3
彼らお得意のスカナンバー。でもメロディアスでもないし、前曲が良すぎる事を差し引いてもそんなにカッコよくはない。

11曲目「Journey to the End of the East Bay」

泣きメロ度3 速さ3 カッコよさ3
やけに長いベースリフで始まるナンバー。なんだか夏の夕暮れが似合いそうな気怠いTIMの歌い方とメロディはちょっといいかも。

12曲目「She's Automatic」

泣きメロ度3 速さ3 カッコよさ3
なんだか力強い歌声のイントロから始まる、ランシドらしいパンクナンバー。メロディが単調なので飽きてくる。

13曲目「Old Friend」

泣きメロ度4 速さ3 カッコよさ5
ちょっと哀愁系なゴリゴリのスカナンバー。よく聞くと、スカギターと歪んだバッキングギターが重なっているんですね。キレの良いスカギターとベースラインのうねりが気持ちいい。こういう哀愁系と言うか、泣きスカとでも言うか、そういうのやたせたらやっぱりRANCIDは上手いわー。

14曲目「Disorder and Disarray」

泣きメロ度 速さ カッコよさ
なんだかイントロ、テンポの遅いラモーンズかと思ったわw まあTIMの場合、何歌ってもTIM=ランシドなんだけどね。キャッチーなんだけど別にカッコよくは無いパンクナンバー。

15曲目「The Wars End」

泣きメロ度2 速さ3 カッコよさ3
ミディアムな8ビートナンバー。もう何だか飽きてきたな。次行こう、次。

16曲目「You Don't Care Nothin」

泣きメロ度4 速さ3 カッコよさ3
彼ららしい切ない系なメロディのパンクナンバー。でも飽きてきたんだよね。これが高速メロコアナンバーだったらなぁ、という、RANCIDに求めちゃいけない妄想をついしてしまう一曲。

17曲目「As Wicked」

泣きメロ度 速さ カッコよさ
「1,2,3,4...」のカウントにちょっと期待が高まるが、即その期待が裏切られ、またも遅いパンクナンバーである。もうレビューもめんどくさくなってきたな。2分半で終わるのがせめてもの救いかw

18曲目「Avenues & Alleyways」

泣きメロ度 速さ カッコよさ
よくあるコード進行のイントロを経て、謎の「Oi Oi Oi」の掛け声で始まるこの曲。やはりミディアムナンバー。もういいよ。よくこんな同じような歌ばっかりでライブとかで間違えないよなぁ。

19曲目「The Way I Feel」

泣きメロ度4 速さ4 カッコよさ4
メロコアキチガイなリスナーの気持ちにラストでやっと気づいたのか?というような、ちょっとメロコアっぽい一曲。最初メインボーカルがTIMではないので、まるで違うアーティストのように聞こえてしまうのが玉にキズ。まあここまで我慢してきたからちょっと爽快に聞こえるだけで、そこまで褒めるような泣きもスピードも無い。

MELOCOREPUNK.COM管理人の感想

ランシドの代表的なアルバムというか、90年代パンクを語る上で欠かせないこのアルバム。シングルカットされたTime BombとRuby Sohoが神曲過ぎて、他が全て霞んでしまっているが、世界中で大ヒットしたところを見ると一般受けは良かったのだろう。

当時管理人の地元の田舎のレコード店の店頭でも試聴できるほど売れていて、高校生だった管理人が試聴した時、ジャケットと1曲目から想像してハードコアバンドと勘違いしたのは遠い思い出。そのイメージはすぐに覆されたのだが。

スカコア、と言う言葉が日本で流行り出した頃、まさにそのスカコアの王道を行っていたRANCID。あれだけ売れたから、キッズはきっと持っているだろうが、持っていなければ、シングルカットされた上記2曲の神曲を聞くためだけでも買った方がいいと思う!