Hi-STANDARD「GROWING UP」のレビュー



タイトル:GROWING UP(グローイング アップ)

アーティスト:Hi-STANDARD(ハイスタンダード)

1枚目:国内版 2枚目:海外版

概要

言わずと知れた日本のメロコアの草分け的存在、「Hi-STANDARD」、通称:ハイスタの記念すべき1stフルアルバム。国内版はTOY'S FACTORYから1995年11月1日に、海外版はFAT WRECK CHORDSから1996年2月13日にリリース。

国内版とファットレック版では、ジャケット、曲順、収録曲が違っている。

1995年8月よりメンバーが渡米し、サンフランシスコのBRILLIANT STUDIOという所で作ったようだ。管理人もすっかり忘れていたが、当時「NOFX」の「FAT MIKE」氏がプロデュースと言う事で話題になったのを記憶している。同じくNOFXの所属する「FAT WRECK CHORDS」の有名プロデューサー「RYAN GREENE」氏もプロデュースに名を連ねている。これだもん、日本で売れなくても、あっちじゃ売れるワケだよ!
その売り上げはというと、国内ではアルバムチャート85位、売上枚数は2万4千枚と、キッズ達の知名度、記憶と裏腹に意外と少ないが、海外含めると70万枚の大ヒットとなっている。つまり海外版が67万枚以上なわけね。

ちなみに前作「Last Of Sunnyday」で問題となったレゴブロックのジャケットをダイヤブロックに差し替えた問題、今作のジャケットも前作を踏襲したようなものになっているが、ちゃんとジャケ内に「BLOCK PRODUCTION by KAWADA ダイヤブロック」の記載がしっかり記載されている。海外版はブロック関係ないジャケ写なので記載は不明。持ってないから確認できないwww

日本のメロコアブームの火付け役となった今作はメロコアスタンダードナンバーが目白押しであり、これが日本人、とりわけ当時のキッズに「メロコア」とはこういう物だ、というイメージを植え付けたと言っても過言ではないと思う。まだメロコアがブーム初期の1995年発売なので、これを発売と同時に聞いていたキッズは相当最先端を行っていたはず。管理人も後から聞いたクチなので、と言っても翌年だが。売上にもそれは表れていて、これがチャート85位なのにその後のアルバムは軒並みトップ10入り、売上も段違いだった。それでも今作には有名曲がずらりという事は、後聞きでも皆聞き込んだ、って事でしょうね。

そんなメロコアクラシック、スタンダード、今さらのレビューですが、当時を懐かしんで聞いてみたいと思います。

勝手なレビュー

1曲目「MAXIMUM OVERDRIVE」

泣きメロ度4 速さ4 カッコよさ5
のっけから有名曲です!てかこのアルバムは全曲有名曲なんだけどね。いきなり変拍子みたいなリズムで始まり、もう何度聞いた事かわからないギターリフから一気に高速メロコアパンクロックへと加速するこの曲、サビではテンポダウンするが、このリズムの目まぐるしく変わる様はドラムのツネがパンク以外(ジャズ?ソウル?ファンク?なんだっけ?)にもルーツを持っているからなのかなぁ、と当時思ったり。

2曲目「LONELY」

泣きメロ度5 速さ4 カッコよさ4
哀愁系のメロコアナンバー。タイトルからしてロンリーだもんねぇ。メロディの泣きはいかにもハイスタと言った感じだが、なんだろう、今一つ知名度のない一曲。途中の転調からアウトロへと至る展開、当時聞いたとき前曲のイメージも含め忙しいなぁ、と感じたものでした。

3曲目「SUMMER OF LOVE」

泣きメロ度4 速さ5- カッコよさ5
さて、アルバム前半の有名曲来ましたよ!キャッチーなサビが印象に残るメロコアクラシックス!なんだかAirJamとか当時のライブの様子が目に浮かぶ曲ですよねぇ。

4曲目「SINCE YOU BEEN GONE」

泣きメロ度3 速さ5 カッコよさ4
最初はカッコよく飛ばしていくメロコアナンバーなんですが、途中サビでドラムが頭打ちになるんですよねぇ。印象には残るけど、あんまり話題にならない曲。だけどレインボーの1979年の大ヒットナンバーなんですね。この後もハイスタは往年のヒットナンバーをメロコアカバーしてるのがあと2曲あるんだけど、5年前くらいに日本のメロコアバンドがよくやってたのを22年前にもうやってるっていうね。

5曲目「WAIT FOR THE SUN」

泣きメロ度4 速さ3 カッコよさ4
これもなんだかAirJamとかのライブ映像が浮かぶなぁ。有名曲ですよね。曲的にはミディアムテンポなナンバーですけどね。ハイスタって事でバイアス深く深っかくかかりまくってて、遅い曲でも盛り上がって聞けるっていうね。これではレビューの体をなしてないですねw

6曲目「TELL ME SOMETHING, HAPPY NEWS」

泣きメロ度3 速さ3+ カッコよさ3
これもイマイチ印象が薄い曲。速くもないし、カッコよくもない、でもハイスタらしい曲ですよ。

7曲目「GROOVY CREW」

泣きメロ度4 速さ4 カッコよさ4
なんだかまた忙しい展開のナンバー。ドラムが特に忙しいんじゃないかっていう。ハイスタ、当時カラオケで歌うくらいならバンドやれとか言っていたけど、ハイスタはドラムの超高速2ビートでさえ難関なのに、この目まぐるしくかわるリズム、ツネの手数の多さ、コピーなんか無理だって。で、バンドを始めたキッズ達は結局BOOWYとかLUNA SEAに行きついてしまうっていうね。

8曲目「SATURDAY NIGHT」

泣きメロ度4 速さ5 カッコよさ5
ご存知Bay City Rollersの1974年の大ヒットナンバーですが、ハイスタはしっかりと自分らのメロコアサウンドに落とし込んじゃってますよ。流石にこのくらいの超有名曲ともなれば、ハイスタの歌だって勘違いする人はいないでしょう。でも若い子は夏祭りがホワイトベリーの曲だと思ってたり、レベッカのフレンズが新曲だと思ってたり、ECHOSのZOOが菅野美穂の歌だって思ったり、ZOOって言えばチューチュートレインが(ry もういいですね。

9曲目「CALIFORNIA DREAMIN’」

泣きメロ度4 速さ5 カッコよさ5
さてカバーソング特集続きますよw こちらはママス&パパスの1966年の大ヒットナンバー、正にクラシックなのですが、これもまぁ超高速メロコアパンクになってますよ。途中歌詞が「左手上げて~ 上げてやって~」って空耳アワーに聞こえるのは管理人だけか?カッコいい。上のサタデーナイトとともに当時のキッズが認識している有名メロコアカバー曲なんじゃないでしょうか。でも当時管理人も含め周りのキッズ連中も、これらの曲がカバーだ、ってちゃんと認識してたんだから、やっぱ音楽自体に知識があったんだよなぁ。今の若い子はそんなん知らないだろうし、一昔前の若い子は、夏祭りがホワイトベリーの(ry モウイイッテ

10曲目「SELFISH GIRL」

泣きメロ度3 速さ5- カッコよさ4
これも忙しい曲だなぁ、って印象。途中の超高速ツタツタビートは当時の黒夢かこれかってくらいでしたねぇ。黒夢はメロコアでは決してありませんが、初期の3人のV系だったときが一番パンクだったよなぁ。棘とか親愛なるデスマスクとか演ってた頃。後半パンクっぽさを意識した頃からアレ?ファッションパンク?と思いましたが、ゼリーとかいう変なファッションパンクバンドプロデュースした辺りで終わりましたね。親愛なるデスマスクなんて、メロディだけ聞いたらメロコアなんだけどなぁ。って話ズレ過ぎ!前川参考人の答弁ばりにズレましたねぇ。もうずれたついでに時事ネタ入れてみました。セルフィッシュガール!ラブオンザービーチ!

11曲目「I’M WALKIN’」

泣きメロ度3 速さ4+ カッコよさ3
これも忙しい高速メロコアナンバー。よく間違えずに演れるよなぁ。って結構ライブとかで間違えてたっけ、当時。でも一見どの曲も似てしまいそうなメロコアなのに、どの曲も違ってて個性に溢れてるのは凄いかも。管理人がメロコアばっか聞いてたからそう思うのか。

12曲目「NEW LIFE」

泣きメロ度4 速さ3 カッコよさ5
来ました、初期の神曲!決して速くない、ミディアムテンポのナンバーなのに、知名度、人気ともにかなりあるんじゃない?この曲。イントロのベースライン、当時バンドでベースにされるヤツって、本当はギター弾けるのに権力闘争に負けたヤツだったイメージだけど、この曲のイントロでは一躍ヒーローになれるっていう!最後になぜかドラムがスピードアップ、メロコアなんだぞ!と主張して終わり!気持ちいい一曲!クラシック!


この子も大きくなったんだろうなぁ。

13曲目「KISS ME AGAIN」

泣きメロ度5 速さ4+ カッコよさ5
神曲続きます!こちらも高速メロコアナンバーであり、キャッチーな泣きメロが当時のキッズの心にザクザク刺さりこんだ一曲。サビのテンポダウンなんか気にならないほど気持ちは盛り上がります。途中のギターソロと難波がなんかブツブツ言ってるところからのラストにかけての展開なんか涙モンですよねぇ。

14曲目「IN THE BRIGHTLY MOONLIGHT」

泣きメロ度4 速さ4+ カッコよさ4
これ、確か7インチ版で出た事があって、当時インディーズマガジンの広告とかにとんでもないプレミア価格で載ってたのの覚えてますよ。それだけ当時のシーンが熱かったんでしょうね。調べたら今でも1万円近い値段で取引されているみたいですね。あのインディーズマガジン、インマガとか言ってたっけ?付録にCD付いてて、メロコアバンドが入ってると嬉しかったなぁ。なんか当時ロリータ18号のギタリストだったエナゾゥ(現NELCA、PONI-CAMPのエナポゥ)の漫画が載ってたのもコレだっけ?あれ好きだったな。今でもあるのかなぁ?インマガ。

15曲目「GROWING UP」

泣きメロ度4 速さ5 カッコよさ5+
もう説明の必要も無いくらいのメロコアクラシック!神曲!こんなレビューをここまで読んでいただけた貴方なら勿論知ってますよね?「D→A→B→C#...」のイントロのこのコード弾きは、当時ギターをかじったキッズなら絶対にやったであろう超絶有名フレーズでしょう!2ちゃんで「デデーデデデーデ」なんて揶揄されるギターのバッキングも、ハイスタらしさ、横山健らしさでしょうし、カッコいいと思うんですけどねぇ。てか確かにデデーデデデーデだな、ギター。でもいざ弾くと難しいよね、ダウンで弾くか、オルタで弾くか。ギターで思い出したけど、本当この曲当時バンドやりたかったけど、このギターもベースボーカルも、何より超絶ハイテク高速ドラミング、昨日今日バンド始めた10代のキッズにはムリですってば。イッツグローインナッ!って歌ってた当時のキッズもすっかりGROWING UPして、もうオッサンですよ。で老化はGROWING DOWNかな?NUFANの曲にあったな、と思って調べたら、逆の意味にはならないんだね。下へ伸びる、垂れるって意味らしい。英語難しいなぁ。老化はエイジング、だそうです。納得。

16曲目 隠しトラック

泣きメロ度0 速さ2 カッコよさ2
なんかギターがペロンペロン弾いて終わる隠しトラック。ボーっと聞いてると終わってしまい1曲目に戻るので、存在感は空気。

MELOCOREPUNK.COM管理人の感想

正にメロコアクラシック!メロコア≒ハイスタを国内で確立した1枚なんじゃないでしょうか。

当時この、そこらのアンちゃんが悪乗りで作ったみたいな雰囲気のCDなんだけど、実は物凄いカッコいいメロコアサウンドで、ジャケット中身に沢山書いてあるいたずら書きみたいなキャラも最高で、これが管理人が10代だった頃のカッコよさの基準になったっていうか、時代にマッチしたっていうか、アメリカ西海岸の日本的解釈っていうか、もう何て言っていいか分からないけど、とにかく神盤って事ですよ。

本当、当時これを聞けて良かった。だって彼らの演奏も、周りの人脈も本物のメロディックハードコアじゃないですか!本物が大ヒットして、その本物を中心にシーンが広がり、大したマーケティングも無しに日本中のキッズが熱狂し、この後のアルバムはパンク界空前の大ヒット!世の中への不満を叩きつけるパンク、ハードコアと違って、日常の感情や応援歌的な歌詞を唄ったパンクロック、それをTシャツ半ズボンの普通のアンちゃんが演奏する、でも上品じゃなく下品な言葉遣いとか雰囲気っていうか、当時のヤンキーからチーマー、ギャルへというやや下品な日本のカルチャーの等身大って感じで、西海岸的明るさの日本的解釈みたいな。これが一部の世代(現在30代半ばから40代前半?)だけだけど、今でもそのルーツにしっかり根を張ってて、ハイスタ、というと脊髄反射を起こす元キッズたちがどれだけいるか。まあお陰でパンク=メロコア、みたいな間違った風潮を日本に植え付ける一因にもなっているのでしょうが。

この後青春パンクとかいうのが流行りますが、管理人にとってはハイスタだって青春パンクなんですよ。歌詞の訳を見ていると、結構青春応援歌ですもんね。てか青春パンクってなんか上品なんだよね、管理人から見ると。何か湿っぽいし、ワルさが無いよね。90年代までは、真面目な人でもワルさがあったもんね。ワルって言うか、大らかさというか。日本が大らかだった最後の頃だよね。

まあそんなわけで、全てが時代にマッチしたから売れたバンドとシーンとも言えますね。だってハイスタをセルアウトなんて叩く論調は聞いた事ないし、これだけ売れててメジャーなのに、当時も今もハイスタが好きとか言ってもミーハー感も無ければ狙ってるサブカル感もないもんね。やっぱり売れ線狙いじゃなくて本物のメロコアだったからだろうね。いやメロコアってのはコレだよ、っていう売れ線の見本を作っちゃったって事なのかな?筋金入りのパンクスにはセルアウト的に見られてたみたいだけど、メロコアとしては本物。

そういえばなんで「メロコアクラシック」って言わないのかな?

何度もここでクラシックって表現を使ったけど、邦楽HIPHOPだとこの辺り(1990年代)のLAMP EYEの「証言」とか、大神の「大怪我」、BUDDHA BRANDの「人間発電所」etc...が「日本語ラップクラシック」とか呼ばれてるのに、この辺のメロコアってシーンがスパっと終わっちゃって、震災以降にまた当時の元キッズ達を中心に盛り上がったからなのか、「メロコアクラシック」って言われ方はしないんだよね。確かに大半の元キッズ達にすれば、2000年以降は時が止まったかのようだったから、懐かしいけど、クラシックではないのかも。だって管理人含めてメロコアって言ったらそれしか無い、知らないんだもん。未だに現役。もちろん2000年以降もシーンを追っかけてたファンはまた違う印象だろうけど、管理人含め多くの元キッズ達はそう思うように感じる。途中がスパっと切れてる分、メロディとかサウンドの移り変わりも知らないから余計にそう思うのかも。現に今どきメロコアバンドとして「WANIMA」とか「04 Limited Sazabys」とか売れてて、あの音はきっとメロコアの2010年代後半における正常進化なんだろうけど、時が止まった元キッズ達はその移り変わりを知らないから、あれをメロコアと最初認識できないと思う。そしてメロコアだと認識してからも、90年代のハイスタなんかと普通に同列に聞けちゃう。だってハイスタを古いと思ってないから。1990年代のハイスタ等と今どきのWANIMAなんかが同じカセットに録音してあっても違和感が無いっていうか。
さらに言えば2010年代に入ってからの、NAMBA69とか横山健の最近の音も全然当時と変わらなかったし、今のハイスタの音も当時のままだから、それも古さを感じない一つの要因なのかも。言うならば、街中でスーパーカブとかモンキーを見ても古いと思わないのと同じっていうか、そんな感じなんだと思う。

まとめると、

  • 2000年代前半以降シーンが断絶しているため元キッズ達の記憶が止まったまま
  • 記憶が止まっているので90年代メロコアに30代後半の元キッズ達が古さを感じない
  • メロコアの代名詞的存在のハイスタが当時と同じ路線、音、ルックスで現在も活躍中!
  • つまりクラシックなんて存在しない!メロコアはタイムトラベラーというか、不死鳥!

なんてとこだと思いますけどどうでしょう?

その他メロコアの歴史についてはこちらでも考察していますので、お時間あったら是非!
https://melocorepunk.com/wahtmelocore/

まあそういう訳で超絶長くなっちゃったけど、それだけこのアルバムは日本のメロコアの金字塔であり、「神盤」であり、「クラシック」だという事です。

元キッズは懐かしがってたまに聞いてみてください。これから日本のメロコアに入ろうってリスナーは、まずコレを聞け!日本のメロコアの歴史を辿れ!

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コメント

  1. ななし より:

    確かに古さを全く感じて無いかも

  2. 匿名 より:

    はじめまして。
    邦楽メロコアが好きで、楽しく記事を読ませていただいてます。
    他レビュー楽しみにしてます!

    • ありがとうございます。持ってる限りのCDを聞いて、持ってなければ買ってでもレビュ―していきますので、今後ともよろしくお願いいたします!