タイトル:KEEP THEM CONFUSED(キープ ゼム コンフューズド)
アーティスト:NO USE FOR A NAME(ノー・ユース・フォー・ア・ネーム)
概要
言わずと知れた泣きメロコアの代表的バンド「NO USE FOR A NAME」の7枚目のアルバム。FAT WRECK CHORDSより2005年6月14日発売。
2005年のリリースということで、アメリカがどうだったか知らないが、日本ではメロコアは完全に過去の物となっていた時期であり、その割にエモだのスクリーモだの、今まで「パンク」で一括りにされてたようなジャンルが細分化され始めてきた頃にも思う。「エモ」が流行り出したのもこの頃だろうか。
そんな時期のリリースだからだとは思わないが、音的にはNUFANのサウンドを踏襲しながらも、荒々しさや激しさが控えられ、エモさが際立つ仕上がりとなっている。2002年リリースの前作「Hard Rock Bottom」まで正統派なNUFANサウンドで突っ走ってきた彼らの、そんなに変わってはいないが、ややキレイめになってしまったサウンドは当時ファンの間でも賛否両論あったようだ。
とはいえNUFANお得意の速い泣きメロは健在であり、時代に合わせた正常進化と考えれば納得がいく。
ではそんなKEEP THEM CONFUSED、レビューしていきましょう!
勝手なレビュー
1曲目「Part Two」
泣きメロ度5 速さ5- カッコよさ4
1発目はやはりNUFANらしいメロコアナンバーです!泣きますが、切ないけれど明るさ漂う彼ららしいメロディとなっています。
ただ、ほんとスムーズに曲が展開していく気はしますね。今までは演奏もTONYのボーカルもちょっと無理してる感があって、それがまた良さでもあったのですが、この曲はキレイなんですよねぇ。
3分35秒もありやがって、後半1分は謎のテンポダウンっていう要らない展開。これさえなければオール5だったのに!
2曲目「There Will Be Revenge」
泣きメロ度5 速さ3 カッコよさ3
彼らがよくやるような展開のミディアムナンバーなんですけどね、やっぱりキレイなんですよ、音も演奏も。
まあ悪くないですよ。NUFANって遅いのも泣きメロだから聞いてられるんですが、これもそんな感じのナンバーですね。
3曲目「For Fiona」
泣きメロ度3 速さ3 カッコよさ2
続きましてもミディアムナンバーですよ。ちょっとイントロの入り方から速いやつかと思わせといて、遅いwww
「フィオナのために」ってタイトルなんですが、「フィオナ」ってのはボーカルのトニーの娘さんなんだとか。まあ娘に捧げる歌が泣っき泣きのメロコアだったらなんか嫌だもんねw
4曲目「Check for a Pulse」
泣きメロ度4 速さ5- カッコよさ4
イントロの感じから、また遅いやつか?と思うのも束の間、しっかり泣きメロで飛ばしていってくれるメロコアナンバーです!
いいのよ。カッコいいのよ。でもさ、キレイなんだよやっぱ。いやキレイなのは悪いんじゃないよ?いいんだよ?管理人は全然気にならないけど、当時NUFANに対して粗削りな泣きメロのイメージを持ってたリスナーは違和感を感じただろうな、って思うけどね。
しかしこれも何で後半テンポダウンするのかなぁ。せめて一回遅くなっても速く戻して終わってくれればモヤっとしないのに、遅いまま終わるからモヤモヤ感募るよね。
5曲目「Divine Let Down」
泣きメロ度1 速さ1 カッコよさ1
NUFANらしからぬ、打ち込みのようなドラム音のスローなバラードのようなナンバー。
クソだね。キレイなんだけど、こんなキレイさNUFANに求めてないから。割りに打ち込みドラム音は汚いんだが。
6曲目「Black Box」
泣きメロ度2 速さ2 カッコよさ2
遅めなミディアムロックナンバー。NUFANらしいけど、別にこんな曲要らないよ。早送り。
7曲目「Bullets」
泣きメロ度5 速さ5- カッコよさ4
来たよー!いい感じのイントロを経て、ベース音とスネアとバスドラのみのAメロからの、ギターのピックスクラッチからのドーンと音が広がる感じ、メロディも泣きまくりだし、これは文句無しのオール5でしょ...アレ?またテンポダウンしやがったよ。マジいい加減にしてくれよホント。
8曲目「Failing is Easier (Part Three)」
泣きメロ度0 速さ0 カッコよさ1
何かよく分かんないけど、前曲のアウトロのギター音のフィードバックから繋がったまま始まる、まあインターミッション的なヤツ?
なんか日本人の女の子の話声がボソボソ聞こえる。「どしたぁ?急に一人暮らしが寂しくなった?*****(聞き取れず) 自分で言うのも何だけどさぁ、私はホラ、****....(この後ほとんど聞き取れず)」
何かの映画かなんかのセリフですかね?よくわかりません!
そしてフィードバック音は次の曲へと繋がります。
9曲目「Apparition」
泣きメロ度2 速さ2 カッコよさ2
また遅いミディアムナンバーですよ。
まあここまでされると、「え?NUFANってエモバンドになったの?」って思われても仕方ないんじゃないですかね。早送り!
10曲目「It's Tragic」
泣きメロ度4 速さ3 カッコよさ3
8ビートなロックナンバー。日本の90年代のバンドかと思うようなイントロから、エモいロックが続きます。サビはNUFANの遅いやつにありがちな曲調ですね。早送りはしませんけど、あんまり良くはないですね。
11曲目「Killing Time」
泣きメロ度5 速さ5 カッコよさ5
タイトルから「PENNYWISE」の同名曲を想像してしまいますが、その想像がガッカリしない展開の泣きのメロコアナンバーとなってますよ!PENNYWISEと違って粗削り感は全くなく、キレイ目なメロコアとなってますけどねw
本当最後のアウトロのリフなんか、まあNUFANらしくないお上品な展開ですが、悪くない、カッコいいですよ!ついにオール5出ました!
12曲目「Slowly Fading Fast」
泣きメロ度5 速さ3 カッコよさ4
テンポは一気に落ちまして、8ビートロックナンバー。ただメロディが哀愁漂わせて泣くからカッコよさが微妙に上がって4ですね。今風に言えばエモい!
これで速いの作れやトニーさんよぉ。
13曲目「Overdue」
泣きメロ度2 速さ2 カッコよさ2
遅いテンポのナンバーで〆ですね。エモいバンドが流行り出したのってこの頃だったっけ?正にそういったエモ系バンドのような一曲。
速い泣きメロを彼らに期待していたリスナーは期待を打ち砕かれ、ここでモヤっとボール投げまくりですね!残念!
MELOCOREPUNK.COM管理人の感想
んー、悪いアルバムじゃないんですけどね、何かこう、キレイなんですよ。整ってるんです。速いメロコアも非常にスムーズに流れていくし、ミディアムナンバーなんか、エモバンドか?と思わせるような展開。
荒々しさがあったNUFANは鳴りを潜め、キラキラしたオーラをまとったのか?と思わせるような感じですね。
mixiの掲示板に「Keep Them Confused って何気に・・・」という2008年のスレッドが残ってて、そこからコメント抜粋ですが、
変にエモくなってて嫌いです。
No Useを代表する一枚ともいわれる名盤Hard Rock Bottomの後に発表されたこのアルバム。
その期待が大きかったためか、地味過ぎたためか、巷の評価はあまりよくないように思います。
僕はこのアルバム1番好きですよー!
もともとエモとかも好きなんで叙情性のあるこのアルバムは初めて聴いたときかなり強烈でした!なんで人気ないのか不思議・・・ 初期ファンはいまいち?なのかもしれませんが。
初期のイメージばかり頭にあると聞きづらいのは仕方ないですね。
最初は正直‘えっ’て感じだった…
やっぱイメージと変わっちゃったからね
でも何回か聞いてくうちにスルメのように段々と味のあるサウンドに聞こえてききた
なんて皆さん書かれてますね。これがこのアルバムの感想の全てでしょう!
2005年って言えば、エモ系バンドで有名だった「THE GET UP KIDS」が解散した年だし、エモの時代だったのかなー?今考えると。
まあ決して悪くは無いんで、NUFANをこれから聞こうってリスナーは初期のヤツを聞いてから、これを聞いてその変化を楽しみましょう!