eastern youth「口笛、夜更けに響く」のレビュー



タイトル:口笛、夜更けに響く(くちぶえ、よふけにひびく)

アーティスト:eastern youth(イースタンユース)

概要

北海道札幌発のパンクバンド「eastern youth(イースタン・ユース)」の4枚目のアルバム。1995年6月10日発売。
元々はスキンズの影響を受けたOiパンクバンドだったらしいが、その後エモ系のサウンドへと変化したそうな。

wikiによると本人たちは「エモ」と呼ばれる事を否定するそうだが、90年代にメロコアやパンクを好きだった連中に「エモ系」といえば誰?と聞いたら、高確率で彼らの名前があがるほどエモの先駆者のようなイメージが定着している。
本人達はエモを否定するとは言え、激情的なギターの歪みとボーカルの叫び、メロコアとはまた違った悲し気な旋律と、焦燥感とでも言うような8ビートの疾走感、なんだか古い小説に出てくるような言い回しの日本語詞という、もうそれって後に言うエモじゃん、という感じである。

そんな彼らのエモと言ったら怒るのだろうが、スキンズ系のスピードパンクから音楽性も思想もエモへ変化した初期の頃、荒々しい勢いに溢れる本作、後に流行ったなんだか上品な気怠いエモバンド達と違い、パンク特有のスピード感が全面に出ていて非常にカッコいい1枚!レビューです!

勝手なレビュー

1曲目「月影」

泣きメロ度4 速さ3+ カッコよさ5
もうね、勢いだよね。勢いハンパ無い。がなり立てるギターから、がなり立てるボーカル。今の吉野氏の歌い方と違って、このままだと咽頭ガンになっちゃわない?ってくらいがなり立てるw
しかしこの良い意味で汚い歪みのギターと、うねりまくるベースライン、良い調子で飛ばす8ビートドラム、管理人は本当好きだわぁ。
のっけからエモい!本当のエモってのはこういうのだろ!心の奥底をグリグリされる感のあるさ。あ、エモっていうの否定してるんだっけ。

2曲目「滾らせ、生き抜け」

泣きメロ度4 速さ3+ カッコよさ5
良いねぇ。ギターとボーカルがバッティングしてねぇ?ってくらいの音圧のあるジャリジャリ感ギターと疾走感、そこにこのボーカル。
しかしさぁ、ギターボーカルの良さと勢いある8ビートのドラミング、これだけじゃこのグルーヴは出ないよね。このウネウネのベースラインが絶対隠し味!何とも秀逸!
ヤバいでしょコレ?もっと評価されるべき!
まあこれだけベタ褒めじゃ、最近のイースタンユースは微妙だと思ってんじゃないの?って聞かれたら、、、はい。悪くないけど、やっぱりこの勢いが欲しいですwww

3曲目「たとえば ぼくが死んだら」

泣きメロ度3 速さ3+ カッコよさ5
もう説明の必要も無いくらいですが、元歌も有名ですし、パンクスの間ではこのイースタンユースのカバーも同じくらい有名ですね!
あの森田童子の暗い(失礼)感じがなくて、暑苦しくて、切ないんだけど、どこかほんのり明るさと温かさを感じさせるようなカバーに仕上がってます。

4曲目「此処は何処なんだろう」

泣きメロ度4 速さ3+ カッコよさ5
ホントこのギターとうねるベースラインの感じ、ヤバいよなぁ。エモいよなぁ。
拘りの日本語詞と、彼らのキャラクター、マジカッコいいよ。
Aメロのベースラインと、1小節食ってから入るボーカルが何とも言えない勢いと気怠さを両立させていてカッコいい!
サビもキャッチーだけど、やっぱりAメロが秀逸かなぁ。

5曲目「窓辺に揺れる」

泣きメロ度3 速さ3+ カッコよさ4
これはもう隠し味なんてもんじゃなくて、ベースのウネリが前面に出てきてますねぇ。もうベースがアルペジオ弾いてるって感じ。あんま音楽のフレーズとかスケールとか知らねぇから適当な言葉が見つからないけど。
まあそんなんでカッコいいんだけど、なんかこのサビの感じが管理人は好きなタイプじゃないんだよなぁ。
「とび出せ大作戦」って言葉が浮かんで来たぞ。ディスクシステムのゲームだっけ?

6曲目「只、眠れる魂」

泣きメロ度3 速さ2 カッコよさ3
エモ全開な遅めのロックナンバーですね。
ここまで勢いありすぎたからね。ちょっと一休み的な感じですかねぇ。

7曲目「石の様にそこに在る」

泣きメロ度4 速さ4 カッコよさ4
いいねぇ、この疾走感。最初にも書いたけど、何に焦ってんだよってくらい焦燥感を感じるんだよね。スキンズ時代の右翼思想への疑問とか、日本語パンクはダサいって風潮へのアンチテーゼ、みたいな思いから出てくる焦り、勢いなのかなぁ。
ところが、ですよ、なぜサビでテンポダウンするの。サビが石のようになっちゃダメじゃねぇかよぉ。ってタイトル通りだから良いのか?

8曲目「雨」

泣きメロ度4 速さ3+ カッコよさ4
雨っちゅう割りにはちょっと明るさを感じるような展開で始まる勢いのあるナンバー。
サビは重くはないけど重厚感ある叫び的な感じ、いかにもイースタンユース、って感じの一曲だね。

9曲目「細やかな願い」

泣きメロ度2 速さ3 カッコよさ3
当時はそうは思わなかったの当たり前なんだけど、2018年の今聞くと、アレ?ハスキングビー?って一瞬錯覚しそうになる、ちょっとギターもボーカルも”がなり”が控えめになったナンバー。
曲展開とか、音の感じもハスキンっぽいんだよなぁ。てかこっちのが遥かに先で、ハスキンがエモへ傾倒してったのはこれより大分後だけどさ。
しかしエモと言うと、ハスキンが軸になっちゃうのがちょっとイースタン的に可哀想だったりもする。あ、エモは否定してるからいいのか。

10曲目「街の掟」

泣きメロ度3 速さ3 カッコよさ4
さあ再び初期イースタン節が炸裂しますよ!ちょっと勢いには欠けるナンバーだけどね。
♪幸せは誰かを追い詰めてる 幸せは誰かを打ちのめす~ うーん。何があったんでしょう?彼らに。
深いですねぇ。まあこの曲に限らずですが。
でも最近のバンドとかがこういう歌詞書くとさ、なんだか狙ってる感凄いけど、イースタンユースは自然だよね。もともとパンクに日本語をどう乗せるか、に拘ってたらしいし、さもありなんだけどさ。

11曲目「冬の残像」

泣きメロ度0 速さ2 カッコよさ3
ちょっとイントロのアルペジオが拙くて、そこがパンクであり、初期イースタンの味なのかもしれませんが、なんとも微笑ましい感じで始まるナンバー。
コレ、歌詞は書いてあるのにインストナンバーなんだよね。歌詞を単純に見ると、誰か死んじゃった人の想い出の歌なのかなぁ、とか詩的センスの無い管理人は思うんだけど、なんだったんだろう。
まあそんな感じでポロン、ポロンと、切ないけどほんわかしたようなインストナンバーでフィニッシュです!

MELOCOREPUNK.COM管理人の感想

カッコいい。
速いのが好きな管理人も当時これ買って、カッコいいな、って思ったくらい、かっこいい。
当時はエモなんて言葉一般的じゃなかった気がするけど、この男くさい、フォークソングがパンクになったらどうなるか、を具現化したみたいなの、好きだなぁ。
管理人はこの次に出たアルバム「孤立無援の花(1997年)」を先に買って、次にこれを買ったんだよね。孤立無援の花もカッコいいけど、勢いは断然コッチでしょ!って思ったのを覚えてる。
その後シングル「青すぎる空」が同年に出て、期待して買ったんだけど、悪くないけど勢いねぇな、って思ったんだよね。テンポ遅いし。まあ完全に管理人の好みなんだけどさ。でも「青すぎる空」、トイズファクトリーからのリリースだったからメジャーデビュー盤だったのかな?当時のメロコアブームに乗っかって紹介されて、ちょっと話題になったのは覚えてる。
まあその「青すぎる空」の路線のまま、2018年現在も活動中ってのは凄いよね!

なんか今回ネットで検索したら、コレ廃盤になってるみたいね。ぜひ再販してもらいたいなぁ。

しかし彼ら、まあそれこそ紆余曲折あって右翼思想のスキンズから左翼に転向し、何年か前にはネトウヨ批判してプチ炎上してたの覚えてるけど、右翼から左翼へ転向した人って珍しくね?
逆パターンだと最近亡くなられた西部邁氏とか、外山恒一氏とか、千葉麗子氏とか、まあ思いつくけど、右翼から左翼へ転向した人って珍しいかもね。あ、小林よしのり氏がいたか。そういや民主党が分裂した後、俺達こそ保守とか言ってたアホがいたなぁ。
結局でもさ、右にしろ左にしろ、その背景なんか色々辿っていくとさ、結局支配層がどうとか、資本家がどうとか、背後のユダヤがどうとか、田布施システムうんちゃらなんて方向へどうしても行っちゃって、またそういう陰謀論的なのが結構筋が通ってたりなんかして、そういうのも一通り見てくると、結局どっちでも良くね?なんてなってきちゃうよねw
そこから陰謀論まっしぐらな人もいるけど、まあ、様々ですねwww

しかし何で日本って親米右翼か反米反日左翼しかいねぇのかね?反米右翼とか、愛国左翼がもっといてもよくね?韓国嫌いな左翼とかさぁwww
大体、保守政党が憲法改正とか言ってて、左翼政党が憲法を守ろうとか言ってんの、おかしいだろwww

なんていつものような話になっちゃったけど、まあイースタンユースだからしょうがないねw
結局パンクと政治は切っても切れないって事だ!

あと全然歌と関係ないんだけど今回レビューして思い出したのが、中ジャケなんだけどさ、コレね。

当時まだ10代だった管理人はさ、「え、みんなちょっとハゲてねぇ?テラオッサンwww昭和っぽい居酒屋で酒飲んでるのもまたオッサンくせぇwww」とか思ってたんだけど、2018年の今、この絵を見ても当時感じた違和感を感じなくて、むしろ親近感すら覚えるんだよね。むしろ調子よくジョッキ空けちゃってさ、歌なんか歌っちゃって調子よく酔ってて楽しそう!混ざりてぇwなんて思ったりwww
やだなぁ。歳とりたくねぇなぁ。昭和50年代生まれが若者だったのは、遠い昔なのね...

しかしコレ、廃盤なんて勿体ないよなぁ。これより前の、まだスキンズを標榜してた頃のも聞いた事あるけど、かなりカッコいいんだよね。本当再販して欲しいなぁ。色々レコード会社変わったり独立したり、彼らの思想の面とかで難しいのかなぁ。

しかし2015年にメンバーチェンジしてベースが女性になってるって初めて知ったよ。ホント情報を追っかけてろよ、って感じですね。すいません。
しかしアメリカで交通事故で車が横転したり、フロントマンの吉野氏は心筋梗塞になったり、ネトウヨとケンカしたりwけっこう波乱のバンドだよね。ずっと頑張って活動してくれているのは何より。

ハイスタとかハスキンとか、やっぱ目立ってたバンドは今でも話題になるけど、こういう決してメジャーではないけど、玄人好みみたいなベテランバンドも話題になるといいのになぁ。