メロコアとは?パンクじゃないの?日本だけの文化?

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メロコア初心者にオススメ!聞いておきたいメロコアバンド 海外編はコチラ

メロコアって何?パンクと違うの?

90年代半ばから終わりにかけて、日本中の10代~20代前半のキッズ達を夢中にさせ、疾風のように駆け抜けていったメロコア。
メロコアメロコア言ってるけど、一体メロコアの定義って何?という方も多いのではないかと思います。

メロコアを一言で言うと?

メロコアとは、MELODIC HARDCORE PUNK ROCK(メロディック ハードコア パンク ロック)の略です。日本人お得意の省略言葉ですね。つまり和製英語と言ってもいいでしょう。
アメリカ西海岸発祥の、パンクロックのジャンルの一つです。

メロコアの定義

メロコアの楽曲の特徴

メロコアにジャンル分けされる楽曲を構成する要素として基本となるものは下の3つです。
基本的には80年代ハードコアをルーツにもちつつ、下記の要素が加わる楽曲を言います。

  • 速い (ドラムがドッタンドコタンの速い2ビートでの裏打ちリズムが基本)
  • 短い (基本的に2分~3分。短い物だと1分を切るものも)
  • メロディアス (泣きのメロディとも言われるマイナー調の哀しげな旋律)

つまり極端に言うと、フラットな音階で歌う80年代ハードコアの旋律をメロディアスにしたもの、という事が出来ます。

メロコアバンドの定義

そしてこれらを演奏するバンドのスタイルも同時に定義されます。

  • 派手な化粧やアクセサリーなどは基本的に身に着けていない。
  • クラシックやメタル、初期パンクではなく、80年代ハードコアパンクをルーツに持つ。
  • 政治的メッセージや内省的な歌詞を含む。

日本でのメロコアの定義

日本でメロコア(メロディックハードコア)が台頭したのは90年代半ばからでした。 90年代当時、日本ではヴィジュアル系が大ブームであり、X JAPANに代表されるクラシックやメタルの流れを汲んだ、速くてメロディアスな楽曲を演奏するバンドは既に存在しました。これらがメロコアかと言うとそうではありませんが、上記のような海外でのメロコアの定義とは違い日本でのメロコアの定義は曖昧なものでした。 敢えて表記すると、

  • 化粧などはせず、半ズボンにTシャツといったストリート系ファッション。
  • ルーツに持つアーティストは多岐に渡る。
  • 楽曲はやはり「速い」「短い」「メロディアス」。

当時も今も、パンク系のフェスにも他ジャンルのアーティストが参加したり、と国内での線引きは非常に曖昧です。

アーティストもリスナーも英語が分からないにもかかわらず日本のメロコアのほとんどは英語詩だったため、歌詞の内容などは特に問われなかったのも、曖昧にしている一因かもしれません。また、メロコア界隈と非常に近い所から、「ヌンチャク」という千葉のハードコアバンドが大ヒットを飛ばしたのも、メロコアの定義を曖昧にする要素に影響しているのかもしれません。

ちなみに日本でもハイスタの大ブームでメロコアというジャンルが一躍有名になる前から、GARLIC BOYS、ニューロティカといったメロコアの定義に当てはまるようなアーティストも既におり、メロコアブームにより彼らは吸い寄せられるようにメロコア界隈へと身を寄せていったのでした。

日本のメロコアの草分けである「Hi-STANDARD」をデビューさせた、今ではミクスチャーバンドにカテゴライズされてしまう事も多い「COCOBAT」はニューヨークハードコアの影響を多大に受けており、ここは正統派な流れだったと言えるでしょう。 余談ですが、当時でも「GARLIC BOYS」と「COCOBAT」は日本パンク界の重鎮クラス、という扱いだったように感じます。

単純に日本で「メロコア」と言う場合、ハイスタに代表されるような、「ラフなスケーター系ファッション」で、「速い、短い、メロディアス」な歌を演奏しているバンド、及びその楽曲と考えていれば間違いはないでしょう。

メロコアの歴史

メロコア誕生(1980年代)

メロコアのルーツは70年代末から80年代初期のアメリカ合衆国カリフォルニア州のハードコアパンクシーンにあると言われています。メロコアの雄とも言われる「BAD RELIGION」はカリフォルニア州ロサンゼルスにて1979年結成。草分け的存在の「DESCENDENTS」もカリフォルニア州マンハッタンビーチにて1978年結成。
アメリカのwikiによると、ハードコアの影響を受けながら、ポップロックのメロディアスさを融合して生まれたサウンドだそうです。

その後NOFX、GREEN DAY、The Offspringといった現在では押しも押されぬ超有名メロコアバンド達もこの80年代半ばに結成されたものです。

その後アメリカ東海岸からも、The Faith、Dog Nasty、Gorilla Biscuitsといったハードコアの流れを組むメロディックハードコアが出現し、シーンは盛り上がりをみせていきましたが、その後長い事パンクシーン全体が停滞へと向かうのでした。

1988年、BAD RELIGIONの「Suffer」が発売、これのヒットにより、シーンは再び盛り上がりをみせます。この「Suffer」、向こうのマニアの間では、日本的に言うとシーンを確立した神版だそうな。

BAD RELIGION「SUFFER」のレビュー
言わずと知れた世界的メロコアバンド「BAD RELIGION」の3rdアルバム。1988年9月8日にギターのBrett Gurewitzが主宰するレーベル「EPITAPH RECORDS」からリリース。1985年に活動休止となっていたBAD RELIGIONだったが、1987年、薬物中毒だったBrett Gurewitzが社会復帰し、レコーディングエンジニアやスタジオオーナーとなっていた時にメンバーが再会、

1989年、BAD RELIGIONのBrett Gurewitzによって設立されたEpitaph RecordsからNOFXがアルバムを発売、ここからエピタフレコードの快進撃が始まるのです。

メロコア全盛期(1990年代前半~中盤)

80年代より盛り上がりを見せたメロコアシーンはBAD RELIGIONをトップとしたEpitaph Recordsにより、Pennywise、Down by Law、The Offspring、 Rancid、SNFU、Total Chaosといった代表的メジャーメロコアアーティストのアルバムのリリースによって更なるシーンの拡充を得ました。

1993年にはそのBAD RELIGIONもAtlantic Recordsから日本風に言うならメジャーデビューを果たします。

NOFXのファット・マイクも共同オーナーとなるレーベル「Fat Wreck Chords」を1991年に立ち上げます。こちらからもNo Use For A Name、Good Riddance、Me First and the Gimme Gimmes、Screeching Weasel、 Propagandhi、 Lagwagon、 Strung Out、Less Than Jakeといったメジャーなアーティストたちが次々リリース。

そして1994年、The Offspringの「SMASH」と、

THE OFFSPRING「SMASH」のレビュー
セルアウト系メロコアなイメージの強い「THE OFFSPRING」の3rdアルバム。1994年4月8日にEpitaph Recordsより発売。クレジットには「THE」が付かず、「OFFSPRING」のみの表記となっている。なんとアメリカで600万枚、全世界で1100万枚売り上げたというメロコアのくせに怪物的なアルバム。それだけ売り上げたが、Epitaph Recordsはインディーズレーベルというところもまた凄い!

GREEN DAYの「DOOKIE」

GREEN DAY「Dookie」のレビュー
カリフォルニア州バークレーのパンクバンド、「GREEN DAY」の3rdアルバム。1994年2月1日発売。全米で1000万枚以上、全世界で2000万枚を売り上げる、世界一売れたパンクロックのアルバムでしょう!売上、知名度の大きさから、オフスプリング、ランシドと並ぶ当時のメロコアの代名詞であり、パンク、メロコアファン以外の普通の音楽リスナーからの人

この二つのメロコアパンクの世界的大ヒットによって、シーンは不動の物となりました。 そこへRANCIDの「...And Out Come the Wolves」の大ヒットなどが続きシーンは全盛を極めます。RANCIDは2ndアルバム「Let's Go」のヒットで注目を集め、レコード会社の争奪戦が繰り広げられ、あのマドンナが自身のヌード写真をRANCIDへ送ってまで勧誘したとの噂まであったが、結局メロコアインディーズレーベルであったEpitaph Recordsとサインしたそうです。

RANCID「...And Out Come the Wolves」のレビュー
前作「Let's Go」のヒットを受けて、各メジャーレーベルが争奪戦を繰り広げ、マドンナが自身のヌード写真を送ってまで勧誘したそうだが、結局パンクロック系インディーズレーベルであるエピタフレコードに残り発表されたのが今作である。さすがパンクス、なかなか義理堅い。

この大ブームは日本にも飛び火し、ここから日本でのメロコアシーンが始まる事となりました。

日本のメロコアシーン

日本のメロコアブーム爆誕(1994年~1996年)

1994年、世界的大ヒットとなった、The Offspringの「SMASH」と、GREEN DAYの「DOOKIE」の余波は当然世界第2位の音楽マーケットでもある日本にも襲来。音楽雑誌やバンド雑誌がこぞって特集を組み、メロコアなる珍妙なパンクロックが若者の間で周知されていきました。




そして誰もが知るメロコアバンド「Hi-STANDARD」(通称:ハイスタ)が1994年「Last Of Sunny Day」をリリース。

Hi-STANDARD「Last of Sunny Day」のレビュー
言わずと知れた、1991年結成の日本のメロコアパンク界の草分けバンドであり、現在もオリジナルメンバーで再結成され邦楽メロコア界のトップをひた走る。そんな彼らの1994年6月30日発売の1stミニアルバムであり、

その後1995年にリリースした「Growing Up」は国内外で70万枚を売り上げる大ヒットに。メディアにはほとんど登場しなかったにも関わらず、10代を中心としたキッズ達から絶大な支持を誇ります。

Hi-STANDARD「GROWING UP」のレビュー
言わずと知れた日本のメロコアの草分け的存在、「Hi-STANDARD」、通称:ハイスタの記念すべき1stフルアルバム。国内版はTOY'S FACTORYから1995年11月1日に、海外版はFAT WRECK CHORDSから1996年2月13日にリリース。国内版とファットレック版では、ジャケット、曲順、収録曲が違っている。

その後ハイスタ自身のレーベル「PIZZA OF DEATH RECORDS」よりハイスタンダードのメンバーがプロディースした、「SHERBET」

SHERBET「SHERBET」のレビュー
出ました!PIZZA OF DEATHレコード第3弾アーティスト!ハイスタの難波氏プロディースの触れ込みで、一躍日本のメロコアシーンのスターダムにのし上がった「シャーベット」。これ聞いてないキッズはいなかったんじゃないか、というくらい名盤。

「HUSKING BEE」などもヒット。

HUSKING BEE「GRIP」のビュー
ハイスタンダードの横山健プロディースというふれ込みで発売された彼らの1stアルバム。ハイスタンダードの主宰するPIZZA OF DEATH RECOREDSより第2弾アーティストとして1997年2月21日発売(プロデューサーでもあるハイスタの「Last of Sunny Day」の2ndプレス再販、およびSHERBETの1stアルバム「SHERBET」と同日リリース)。

雨後の筍のようにフォロワーが次々とでてきて、スカコア、メタルコア、エモなど入り乱れて細分化されて行きシーンは混迷の様相を呈しました。

ハイスタ自身もNOFXのファット・マイク主宰のレーベル「Fat Wreck Chords」からも「Growing Up」1996年に海外リリースし、飛ぶ鳥を落とす勢いで存在を確固たるものにしていきます。

テレビ神奈川「ビデオ星人」やテレビ東京「HANG-OUT」など、流行に乗りようやくというか、流行がテレビ番組まで作ってしまいます。

メロコアブーム最盛期 (1997年~1999年)

1997年、ハイスタ主催による野外フェス「AIR JAM97」がお台場にて開催。シーンは絶頂を極めます。
その後同イベントは伝説と化し、この時代のバンドやこのブームに乗っかったキッズたち(現在30代後半)を「AIR JAM世代」と後に呼ぶようになるほどに。

AIR JAMは当時のキッズへの影響力が大きかった上に、メロコアだけでなく、スカコア、ハードコア、ミクスチャーといった他ジャンルのアーティストが出演し、主催のハイスタとも親交が厚かったため、これも日本でメロコア、パンクの定義が曖昧になっている原因の一つと考えられます。

初期パンクなどはブームが終焉し、ヴィジュアル系がファッションとして取り入れているパンクスタイルや洋楽グランジなどが一部音楽マニアの間で細々生き延びていた当時の日本のシーンに入ってきたこれらメロコアブームにより、現在30代後半のAIR JAM世代で音楽に詳しくない人達は、パンク=メロコアと誤解したままの人も多いでしょう。

1999年、日本メロコア界の重鎮Hi-STANDARDも4作目のアルバム「MAKING THE ROAD」を発表。テレビ等メディアには殆んど出ないながらも100万枚を売り上げる大ヒットを飛ばし、国内メロコアシーン最盛期を迎えます。

Hi-STANDARD「MAKING THE ROAD」のレビュー
この歌詞の訳を見てると、まるでこの翌年のハイスタ活動休止から、長いメンバー各々の迷走も含みながらのソロ活動、例の「警告」事件、じわじわと雪解けのように関係が修復され、難波のパンクロック解禁、次曲「stay gold」の難波と横山が別ステージながら同フェスで演奏事件、じっと待っていた元キッズ達、そして2011.03.11を乗り越えてからのハイスタ大復活と元キッズたちの狂喜乱舞、

同年、メロコアブームから派生したスカコアと呼ばれるジャンルで活動していた「SNAIL RAMP」が、「MIND YOUR STEP!」をリリースしオリコン週間チャート10位にランクインする大ヒットとなります。お笑い芸人「ダウンタウン」が司会の人気番組「HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP」に出演し話題に。彼らは1996年に「A PIZZA ALREADY」なる意味深なタイトルのアルバムをリリースしており、セルアウトの臭いが当時プンプンしたものでした。そのせいか当時他のメロコアバンドとの絡みを見た記憶がほとんど無い。

メロコアブーム終焉(2000年代前半)

2000年、世間は宇多田ヒカルの大ヒットからのR&Bブーム、ヒップホップブーム前夜となっており、メロコアキチガイだったキッズ達も徐々に大人になり熱が覚め始めていきます。

同年4月5日に発売された「Hi-STANDARD」のマキシシングル「Love Is A Battlefield」がオリコン初登場2位を記録し、テレビアニメ「キテレツ大百科」の主題歌「はじめてのチュウ」のカバーである「My First Kiss」が話題となりますが、同年8月、AIRJAM2000にてHi-STANDARDは惜しまれつつ解散となります。

「BRAHMAN」や「SOBUT」などカリスマ性のある女子ウケの高いバンドは熱狂的なファンを獲得していましたが、 既に初期のコアなキッズは20代となりシーンからは離脱していたため、ハイスタ解散はあまり話題にはならなかった記憶が。

ハイスタの結成から解散、再始動への遍歴はコチラ

PUNK BAND Biography 「Hi-STANDARD」1991-2002
日本を代表するメロコアバンド「ハイスタンダード」彼らがたどった歴史を紐解く!第1章 結成から活動休止まで(1991年~2002年)

時期を同じくして、「MONGOL800」のアルバム「MESSAGE」がインディーズながらオリコンチャート1位を飾り、その後ガガガSP、GOING STEADYといったいわゆる「青春パンク」がティーンを中心にヒット。似て非なるものである「メロコア」と「青春パンク」の世代交代となり、ファン層も世代交代。メロコアキッズ達は完全に国内パンクシーンから離れてしまいます。

なぜかこの頃より、高校野球の応援のブラスバンド演奏で「BRAHMAN」の「SEE OFF」をやたら耳にするようになりました。

メロコア冬の時代(2000年代中盤~2010年)

青春パンクもその後の「キングギドラ」「DRAGON ASH」に代表されるHIPHOPブームの陰となり終焉、90年代に全盛を誇ったバンドたちは不遇の時代となり、そのほとんどが解散したり、小さなライブハウスで細々と活動を続けていました。

日本の代表的メロコアバンドであった「Hi-Standarad」もそれぞれメンバーがソロ活動を開始していたが、TYÜNKやULTRA BRAiNという名義でソロ活動していた難波氏がPIZZA OF DEATHに対し自身のサイト上で「警告」なる横山氏へと思われる物騒なページを公開し、見るに堪えないお家騒動となり、当時20代後半に差し掛かった元キッズ達を当時普及し出したインターネット上でもう再結成は無理なのか、と落胆させました。

ネットの普及に伴い、CDの売上は低迷。メロコアだけでなく日本の音楽業界全部が不遇の時代へ突入しました。しかしハイスタと同様にメディアの力を借りずに(厳密にはネットメディアだが)、動画サイト「ニコニコ動画」上にて音楽ソフト「ボーカロイド 初音ミク」を使用した素人制作の楽曲、通称「ボカロ曲」が次々アップされティーンの間で大ヒット。そこから派生した同サイト内の「歌ってみた」、「踊ってみた」などで、素人が一躍スターダムに躍り出るという現象まで生じ、音楽業界のありかたがネットの影響によってガラっと変わってしまったのです。

メロコアシーンは完全に下火となりましたが、それでも根強いファンはおり、元Hi-STANDARDの横山健率いる「BBQ CHICKENS」やPIZZA OF DEATH RECORDSから「Hawaiian6」、元SHERBETのメンバーが主となり結成された「SLAIME BALL」、当時の若手達であったメロコア第2世代とも言える「10-FEET」「locofrank」「ELLEGARDEN」などと、青春パンクからメロコアへ移ったこちらもキッズ第2世代と言えるファン達やコアなマニアが小さなシーンを牽引していきます。

2000年代中盤より乱立する大規模野外ロックフェスティバルなどに、そういった生き残りバンド達が出演するようになっていき、2006年には「PUNKSPRING」なるパンクロック専門のフェスも開催、2007年、「10-FEET」が自身の結成10周年を記念し、「京都大作戦」と銘打ってパンク系バンドの野外フェスが企画されます。諸事情により中止となってしまいますが、翌2008年「京都大作戦」はパンクに収まらない多岐にわたるアーティストが出演し、成功裏に終わります。その後現在まで続けられているのは皆さんご存知かと。そしてそのファン層も当時20代前半の青春パンク世代や新規のファンが主となり小さいながらも一つのシーンとして確立されつつありました。

2010年、フジロックフェスティバルに犬猿の仲になっていたかと思われた元Hi-Standardの難波氏と横山氏が出演。別々であったが、大ヒット曲「STAY GOLD」を演奏するという事態に、アラサー世代になった元キッズたちはネット上でざわつき、「これは再結成あるぞ」との声が高まります。

メロコア復活の狼煙(2011年~)

低迷する日本の音楽業界を表すかのように、ジャニーズ事務所かエイベックスかナントカ48的な束で出てくるアイドルばかりがテレビを賑わせ、訳の分からないK-POPなる捏造ブームをメディアが煽り立てました。それに嫌気が差した事とネットの普及も相まって、音楽リスナーの聞く曲は細分化。アングラシーンがネット上で容易に情報を得られるようになり、マニアはより深く潜ってしまい、大きなヒットが出なくなりました。

2011年2月9日、TYÜNKやULTRA BRAiNなどというユニットで、半ば迷走?とも言える楽曲を作っていた難波氏が突然、「パンクロック解禁」と銘打ち、「PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT」なるゴリゴリのメロコアパンクロックをリリース、これにシーンは驚きと期待を持って迎え、メロコアシーンへちょっとした起爆剤が提供されたのでした。

とは言え当時のキッズたちもこの頃には30代となり、仕事や家庭に追われ、音楽そのものを聞くという趣味から離れている人も多かったでしょう。しかし、

2011年3月11日、東北地方を中心とする東日本全域にマグニチュード9.0という歴史上最大規模となる大地震、「東日本大震災」が発生。死者行方不明者3万人の未曽有の大参事に。

この事態を受け多くのアーティストが復興支援を表明。Hi-Standardも復興支援のためにAIR JAM2011の開催と、なんとHi-STANDARD再結成を発表。ここ数年で最大、メガトン級のニュースにシーンは完全にヒートアップします。

その時30代に差し掛かっていたAirjam世代の元キッズ達は大盛り上がりとなり、AIR JAM2011は同年9月に3万人を動員します。

あの頃から離れていた、30代になった当時のキッズ達が懐古趣味も手伝いメロコアシーンに戻ってきたのです!

ちなみに同会場にてライブPAチーム「SPC peak performance」が中心となり結成された復興支援団体、「東北ライブハウス大作戦」の募金も行われます。今では同団体のラバーバンドはパンクスのマストアイテムとなっているほど。

このときもやはりメディアでは大して話題とならず、誰だかわからないK-POPアイドルがスカスカの会場で嘘の動員1万とかやっていて、ネットで情報を得ていた当時のキッズ達を落胆させ、他にも被災者を無理やり取材しお涙頂戴番組風に仕立てて放送したり、報道のヘリがサイレントタイムを守らなかったりと震災後のマスコミのあり方について右からも左からも不満の声が上がります。

そんな中で福島第一、第二原発の大事故による放射能汚染とその政府の対応や電力会社への不信感などから、各アーティスト達が次々反原発運動に動き出し、パンク系アーティスト達もこぞってtwitterなどで呼びかけを行いました。そのためtwitter上にてそういったアーティスト達の情報が随時入手出来、当時普及しだしたSNSやスマートフォンの力もあって、全盛期以上にメロコア関連の情報もいち早く入手できるようになって、ネット上にもメロコアシーンのようなものが形成されつつありました。

同年12月、歌いたければバンドを組めと公言し、当時一瞬だけカラオケに入ったもののすぐ抹消されていた「Hi-STANDARD」の楽曲がカラオケ配信されると突然発表!既にカラオケなど20代で行きつくした元キッズ達もこのニュースにはざわつきます。
当時のヒットソングである「STAY GOLD」、「TEENAGERS ARE ALL ASSHOLES」、「BRAND NEW SUNSET」、「THE SOUND OF SECRET MINDS」、「MOSH UNDER THE RAINBOW」が本当にカラオケ配信となり、これはネット上でかなりの話題となりました。

2014年ハイスタに影響を受けたという2008年結成の若手メロコアバンド「04 Limited Sazabys」が3枚目となるミニアルバム「monolith」をリリースし、インディーズながらオリコン週間ランキング1位となり、Airjam世代の元キッズとは違ったファン層が厚くなっている事を伺わせました。

04 Limited Sazabys「monolith」のレビュー
04 Limited Sazabys、2008年結成ですよ?2008年っていうと、初音ミク等ボーカロイド曲とニコニコ動画がティーンを中心に猛威を振るい、パンクシーンでは例の難波章浩vs横山健のPIZZA OF DEATH絡みの「警告」事件の翌年、京都大作戦が開催された年ですね。90年代後半にメロコアを聞いていた元キッズ連中はアラサー世代となり、

2015年「04 Limited Sazabys」が日本コロムビアよりメジャーデビュー。全国ツアーやワンマンライブを成功させ、再びメロコアで食っていく事が出来るという事をシーンに見せつけました。

2016年、何の前触れもなく突然「Hi-STANDARD」が16年ぶりのシングル「ANOTHER STARTING LINE」を発売します。
あまりに突然なこのリリースは、新譜の音源を今か今かと待ち望んでいた、いわゆるメロコア出戻り組の30代後半の元キッズ達に一撃を喰らわす大ニュースとなりました。リリース後はインターネット上、SNS等での話題を瞬く間に席巻、出戻り元キッズ(当時35~40歳位と思われる)達はこぞってレコード店や通販に群がり、品薄状態に。
さすがにこの盛り上がりは、メディアにいるAIR JAM世代が偉くなってきているためかは知らないが、在京テレビ局も取り上げる事態に。

Hi-STANDARD「ANOTHER STARTING LINE」のレビュー
これ、記憶にも新しいんだけど、何のプロモも告知も無しに突然CDショップの店頭に並んだんだよね。CDショップに足しげく通う人とか、ライブハウスで噂を聞いた人なんかが早速見つけて購入して、

同年3月、メロコア不遇の時代である2006年より続けられた、「PUNKSPRING」(通称:パンスプ)が”2017 FAINAL”と銘打ち、今回で終了となった。BAD RELIGION、THE OFFSPRING、NOFX、LESS THAN JAKE、SNUFFといった超大物外タレから、NAMBA69、Northern19、MONGOL800、DJヒカル等国内も人気バンド達が演者として名を連ねるほどのイベントであった。
メロコア好きから見たら、どう考えても豪華すぎるメンツなのだが、チケットが売れてないんじゃないか?との憶測がネット上に漂っていた。

2017年、夏頃より「Hi-STANDARD」が18年ぶりのアルバム「The Gift」発売をまたもやゲリラ的に発表。街頭や駅等に楽曲のTAB譜を書いた広告を貼るなどしプロモーション。もう当時のファンはすっかり10代の頃の顔に戻り、SNS上は騒然とします。10月4日、ついに「The Gift」が満を持してリリース。こちらも在京テレビ局で普通にニュースとして扱われました。
「The Gift」は初動出荷枚数12.2万枚を記録、週間チャート1位となり、これはハイスタにとっても最高順位でした。
ちなみに当レビューブログでも、「The Gift」リリース当日にレビューを投稿したところ、それまで15~20アクセス/日だったのが、一気に300アクセス以上/日に増えるという、ちょいバズを起こす事態に!www

Hi-STANDARD「The Gift」のレビュー
伝説的バンドの18年ぶりのフルアルバムと言う事で、発売前よりパンク、メロコア界隈では兎に角話題となり、前作「ANOTHER STARTING LINE」の時にゲリラ発売で話題となった事に味を占めたと言ったらいい方は悪いが、

そして2017年後半の現在、パンスプは終わっちゃったものの「京都大作戦」「AIR JAM」は開催継続中であり、一時は「TONE RIVER JAM」「りんご音楽祭」などローカルでアングラなフェスにも有名メロコアアーティストが参加するなどし、アンダーグラウンドながら確固たるシーンが築きあがっています。

アングラと言ってもAIR JAM世代のみにおいてはメジャーだったシーンなので、普段は音楽を聞かないその世代でも、このようなメロコア関連のニュースがあると飛びつき話題となるため、潜在的なファン層、シーンはとてつもない爆発力を秘めているのかもしれません。

そして現在のシーンへと続いています。そしてそのブームの中心には、やはり現在30代後半に差し掛かった当時のキッズ達の影響力と、「Hi-STANDARD」が見え隠れする。いや常に日本のメロコアはハイスタを中心に回っている、それが日本のメロコアシーンなのかもしれません。

メロコア初心者にオススメ!聞いておきたいメロコアバンド 海外編はコチラ

メロコア初心者にオススメ!聞いておきたいメロコアバンド 海外編
これからメロコアを聞こう!というリスナーの方へ、メロコアって何から聞いたら良いの?という疑問に答える、 「メロコア初心者にオススメ!聞いておきたいメロコアバンド 海外編」